・ 胸部出口症候群
・ 側弯症
・ 外傷性頸部症候群
・ 頸椎間板ヘルニア
・ 頸椎症性神経根症
・ 変形性脊椎症
・ 脊椎椎体圧迫骨折

胸部出口症候群

[ 症状 ]
腕を上げる動作で上肢のしびれ、肩甲骨周囲の痛みを生じます。
また前腕から手にかけて外側(尺側・小指側)に沿っての痛みやしびれなどの感覚障害や手の握力低下などの運動障害を伴うこともあります。

[ 診断 ]
なで肩の女性や重い物を運ぶ仕事で起こしやすいです。
レントゲン検査及び疼痛誘発テストを行い診断します。

[ 治療 ]
上肢の挙上や重い物を持ち上げる動作、リュックサックを担ぐようなことを控えましょう。
症状が軽い場合は、肩甲帯周囲の筋力トレーニングを行い、肩を少しすくめた肢位をとります。
装具を用いたり、血流改善薬やビタミン剤などの投与も行います。
骨性変化など重症例に対し手術を行うこともあります。

側弯症

[ 症状 ]
背骨が左右に弯曲した状態で、ねじれを伴うことがあります。
左右の肩の高さが違い、肩甲骨の突出、肋骨及び腰部の隆起などの変形を生じます。
進行すると腰背部痛や心肺機能の低下をきたすことがあります。

[ 診断 ]
診察にて体幹姿勢の変化及びレントゲン検査にて脊椎や肋骨の異常を確認します。

[ 治療 ]
弯曲が進行する前に、治療を開始することが大切です。
治療は、側弯の原因や程度・年齢により違います。
特発性で軽症の場合は、定期的レントゲン検査などを行い、経過観察とします。進行する場合は装具治療を行います。進行側では手術による矯正が必要になる場合があります。

外傷性頸部症候群

[ 症状 ]
交通事故などで首の捻挫後、長期にわたり頸部痛、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどの症状を生じます。

[ 診断 ]
レントゲン検査・MRI検査などを行い、骨折・脱臼などの有無を確認します。

[ 治療 ]
痛みに応じて少しずつ頸部の運動(ストレッチ程度)を行います。その後、全身のストレッチを行い、身体のリラックスを保つように心掛けましょう。
場合により、内服薬や外用薬、リハビリを行うこともあります。

頸椎間板ヘルニア

[ 症状 ]
頸部痛、上肢の痛みやしびれ、手指の運動障害を生じます。

[ 診断 ]
頸椎の動きに伴い、上肢への痛みやしびれが出現したり、手足の感覚や運動障害を確認します。
レントゲン検査・MRI検査も行い、骨性変化なども確認します。

[ 治療 ]
鎮痛剤の服用や神経ブロックを行います。
また、牽引治療などの物理療法を併用します。
場合により、手術になることもあります。

頸椎症性神経根症

[ 症状 ]
腕や手指及び肩甲骨周辺のしびれ、痛みを生じます。
上肢の筋力低下や感覚障害を生じることもあります。

[ 診断 ]
頸椎の動きに伴う症状の変化やレントゲン検査で頸椎症性変化を認めることで診断します。
また、MRI検査なども行うことがあります。

[ 治療 ]
ビタミン剤消炎鎮痛薬の服用、牽引などの物理療法を行います。
治るまでに長くかかる(数ヶ月程度)こともありますが基本的には治癒する疾患です。
ただし、痛みが強い場合や筋力低下などが著しい場合は、手術を行うこともあります。

変形性脊椎症

[ 症状 ]
加齢により生じるもので、軽症なものでは無症状のことも多くみられます。
変形が進行すると、慢性の疼痛や可動域制限を生じ、脊柱管狭窄症へ進行してしまうこともあります。

[ 診断 ]
レントゲン検査で骨性変化などを確認します。
また、神経症状がある場合はMRI検査も行います。

[ 治療 ]
コルセット装着や薬物療法、理学療法などを行います。

脊椎椎体圧迫骨折

骨粗鬆症・転倒などによる外傷性のもの、転移性骨腫瘍などにより生じます。

[ 症状 ]
通常は骨折のある部位に疼痛を認め、体動困難な名場合もあります。
その他、下肢麻痺など神経症状を呈することもあります。

[ 診断 ]
レントゲン検査を行います。
圧迫骨折部の状態や骨折が不明確な場合はCT検査やMRI検査も施行することがあります。

[ 治療 ]
骨粗鬆症によるものは、ギブスや装具などの外固定を行い、なるべく早い時期に歩行練習を行います
ただし、骨折が高度であったり、神経症状を伴うものは手術を行うこともあります。