・ 変形性股関節症
・ 大腿骨寛骨臼インピンジメント
・ 先天性股関節脱臼
・ 鼠径部(そけいぶ)痛症候群

変形性股関節症

[ 症状 ]
股関節痛及び機能障害を伴います。

初期は立ち上がりや歩き始めに股関節部に痛みを感じます。
進行すると痛みが増強し、夜間痛なども引き起こします。

[ 原因 ]
患者さんの多くは女性ですが、原因は先天性股関節脱臼の後遺症や股関節形成不全などが全体の80%といわれています。

[ 診断 ]
診断はレントゲン撮影にて行います。
レントゲンにて変形の進行度を評価します。

[ 治療 ]
体重のコントロールをし、日常生活において上手くつきあうことが大切です。
また、運動器リハビリなど筋力トレーニングなども必要となります。
これら保存療法でも軽減しないときは手術を行うこともあります。

大腿骨寛骨臼インピンジメント

[ 症状 ]
股関節痛及び機能障害を伴います。
股関節屈曲(しゃがみ動作)、あぐらをかく姿勢で痛みを感じます。

[ 原因 ]
股関節の過度の屈曲を繰り返すことで、大腿骨頸部と寛骨が衝突し、骨や関節軟骨が変化して生じます。

[ 診断 ]
診断は単純レントゲン撮影にて行います。
状態によりCT検査やMRI検査で骨形態異常や股関節唇と関節軟骨の状態を確認します。

[ 治療 ]
通常はリハビリと内服により疼痛コントロールします。また、原因となる動作(股関節の屈曲・内転・内旋動作)や運動をひかえることも必要です。
保存療法で症状改善がない場合は手術を行うこともあります。

先天性股関節脱臼

[ 症状 ]
乳児健診で股関節の開排制限や脱臼感があり、レントゲンなどにより発見されることが多くあります。

[ 診断 ]
股関節の開排制限、大腿部のシワの非対称、骨頭の位置異常などがあれば、レントゲンなど用い画像診断を行います。

[ 治療 ]
年齢により異なります。
乳児期の場合、ひも型の装具療法が行われます。
それでも整復されない場合などは、オーバーヘッドトラクションといわれる入院牽引療法が行われます。
整復が得られたら、その後の成長の経過観察を行い、もし、後遺症が早めに出現した場合は手術などを行うこともあります。

鼠径部(そけいぶ)痛症候群

[ 症状 ]
ランニング、キック、起き上がりなど股部に力を入れた際、鼠径部やその周辺に痛みが生じます。

[ 診断 ]
サッカー選手などキックするスポーツをしていて、鼠径部周辺に痛みを訴え、圧痛があれば診断可能です。

[ 治療 ]
関節運動・バランス・筋力など評価し、それを修正するスポーツトレーニングを行います。